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1.「FS Global 2008」をインストールしたのに表示がおかしいまま?
「FS Global 2008」は、FSX標準の荒い地形データをNASA提供の高精度標高データに置き換え、よりリアリティのある地形を再現するものです。また、「FS Global 2008」はFSXが本来持っているデータ上の不具合のいくつかも解消します。その詳細な内容は、製品に同梱されている「Inside FS Global 2008」に記載されていますが、その中で最も有名なのが、北エクアドルのカヤンベ火山の北側斜面に出現する「煙突状の湖」です。
この問題に関しては、FSXの発売元であるMicrosoft社でも日本語版のある時期以降のロットで修正が行われた模様で、この「煙突状の湖」は現れなくなりました。[図1-1]
しかし、これは単に不具合のあった地形データを無効にしたもので、地形データの精度はそのままです。
この状態の日本語版FSXに「FS Global 2008」をインストールしていただくと、カヤンベ火山が「なだらかな丘」から「切り立った山」に変貌するのがご確認いただけると思います。ところが、この時点で消えたはずの「煙突状の湖」が再び出現してしまう場合があります。[図1-2]
誤解の無いように解説しておきますと、「FS Global 2008」は碁盤の目のように区分されたメッシュと呼ばれる標高データのセットです。したがって、そもそも「煙突状の湖」のような形状は持つことができません。
オリジナルを制作したオーストリアPILOTS社と日本総代理店である弊社の調査の結果、これは FSXが修正…正確にいうと無効化されたデータが、「FS Global 2008」のインストールにより、再び有効扱いにされてしまったことにより発生した問題であることが判明しました。本来は、このようなデータの不具合はデータそのものを修正すべきなのですが、Microsoftでは「取りあえず使わなくする」だけの対処を行ったため、この症状が再び発生することになった模様です。
この現象を解消する「アップデート版」を適用しただくと、問題のあったデータを再び無効化することができます。[図1-3]
「FS Global 2008」により詳細になったカヤンベ火山は高精度のままで問題が修正されてのをご確認いただけると思います。
(「Inside FS Global 2008」で紹介された画像は、「FS Global 2008」インストール後の高精度データが表記されてしまっています。FSX本来のカヤンベ火山は[図1-1]の状態です。)
2.ポルトガルのマデイラ空港に変化がない?
「Inside FS Global 2008」でも紹介している大西洋のマデイラ島の空港は「FS Global 2008」をインストールしても変化はありません。もちろん「FS Global 2008」をインストールいただくと周囲の起伏は一変します。しかし、この空港の「台地」はFSXでは空港オブジェクトの一部として登録されており、このため標高データが差し変わっても変更することはできないためです。「FS Global 2008」をインストールすると、標高データは高精度化しますが、FSXのオブジェクトの誤りまでは修正できない一例として紹介しています。ちなみにこの空港は、滑走路の半分が台地の上、半分がコンクリート柱の上に立つ特殊な構造なので、将来的にこれを再現しようとの意図から空港オブジェクトとして登録されたものと思われます。